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トレーディングカードゲームのことをつらつらと

VG初級講座6「公開領域ってなんですか」

初級講座の第6回です。

 

 

今回はちょっと難易度が高いかもしれません。

今回の内容を理解しておいて、ちゃんと実践できたら中級者を名乗って大丈夫だと思います。

 

 

 

さて、TCGは心理戦でもありますが、情報戦でもあります。

情報を制した者だけが生き残る世界です。

TCGの情報にはいろいろなものがあります。

デッキ構築に選択できるカードの範囲(カードプール)の把握、クランやデッキタイプの得手不得手など。

 

 

今回はファイト中の情報のお話です。

 

 

あなたの手札、山札、場のカードなどで対戦相手がいつでも確認できるものは、現状のスタンダードにおいて「ヴァンガードサークル」「リアガードサークル」「ダメージゾーン」「ドロップゾーン」「除外されたカード」これらの場所にあるカードです。

 

 

これらを「公開領域」と呼ぶことにします。

 

 

こちらの手札は基本的に相手には見えない「非公開領域」ですが、特定のタイミングで見せてしまうことがあります。

 

 

ヴァンガードがアタックした際のドライブチェックです。

 

 

対戦相手がこちらのドライブチェックで公開されたカードを覚える「ドライブ記憶」をしていると、こちらの手札の一部がバレてしまっているのと同じことになります。

 

 

例えば、ノヴァグラップラーのデッキを使っていて、手札にカップボウラーとターボライザーがあるとします。

 

このターン、あなたはツインドライブでアイアンキラーとキャノンボールをめくりました。この2枚を手札に加えて相手にターンを返します。

 

相手のアタックで15000のシールド値を要求されました。ここでターボライザーがちょうど15000のシールド値を持っていたのでガーディアンとしてGにコールしました。

 

次の自分のターンになり、新たにゲットしたアクセルサークルに新しいリアガードをコールしようとしています。アイアンキラーもカップボウラーもスキル発動の要件を満たしています。なんとなくカップボウラーをコールしました。

 

 

この状況をどう考えますか?

 

ターボライザーもキャノンボールも同じフロントトリガーでシールド値は15000です。カップボウラーもアイアンキラーも相手Vにアタックしたとき、アクセルサークルで24000のパワーになります。

 

どっちでもいいじゃん?と思っている人は、その時点で情報戦に負けてしまっています。

 

前のターンのツインドライブで公開したアイアンキラーとキャノンボールしか手札に残っていないため、こちらの戦力が相手にすべて把握されている状態です。

 

同じような数値、同じような役割のカードならばすでに相手に知られてしまってるカード、この例で言うならアイアンキラーやキャノンボールから使っていくのが定石(セオリー)です。

 

 

 

◆公開領域を管理する

 

初期手札5枚が配られマリガンを終えたらスタンドアップしてファイトが始まります。

 

マリガンの終了時に何か一つのカードを手札の中で目印にします。

 

もし、無地のスリーブを使用しているなら、このときに目印のカードを相手に悟られないように上下逆にしておくと、より分かりやすくなります。

 

・ドライブチェック等で公開したカードは目印カードの右側。

 

・初手やその後のドローなどで加わったカードは目印の左側。

 

このようにそれぞれのカードを手札に加えていきます。

 

こうすることで、目印のカードより右側のカードが「公開領域」となります。

これら「公開領域」のカードをガーディアンやリアガードとして使っていくと、目印を含む左側のカードが対戦相手の知らないカード「非公開領域」として守られていきます。

 

情報戦なので、こちらだけが知っている情報が多い方が有利と言えます。

 

ただし、無理は禁物です。

「公開情報」からカードを使おうとして、手札を多く消費してしまうガードをしたり、リアガードをコールする際にわざわざ最大戦力から劣る盤面(弱い盤面)を展開したりする必要はありません。

出し惜しみはしなくていいですが、使おうとしているカードが同じレベルで選択の候補にあがる場合には、「公開領域」から使う方が勝てる可能性が少しでも上がるということです。

 

 

 

参考までに私の手札の「公開領域」の管理の仕方を説明します。

 

マリガン終了後に一度手札の中を並び変えます。左からライド用のG1、G2、G3、次にRにコールしたいアタッカー(主にG2)、序盤からでも使えるガード札、最後に終盤にライドしたいフィニッシャーとなるG3か守護者(完全ガード)という感じに並び替えをササッと行います。

 

フィニッシャーのG3や完全ガードが「公開領域」との境目の目印となります。

 

あとは、自分のターンのアタックフェイズには手札を重ねてプレイマットに伏せておき、ドロートリガーやユニットの効果で手札に加えるカードは重ねた手札の一番上に置き、ドライブチェックで公開したカードを手札に加えるときには重ねた手札を取ってから、自分から見て手前(重ねて置いておいたときは下側)に公開済みのカードを加えていきます。

 

自分のターンの終了時に目印から左側の「非公開領域」のカードを、相手に分からないように左から優先して使う順にちょこっと並び替えます。

 

 

個人的にハンドシャッフル(シャカパチ)をしている人は、このような手札管理ができていないか、自分の公開札を全部覚えているミサキさんのような特殊能力の持ち主だと思っています。ヴァンガードでのシャカパチは控えた方が強くなれると思います。

 

 

 

◆ドライブ記憶

 

自分の「公開領域」を管理できるようになったら、次は対戦相手の「公開領域」を覚えましょう。「公開領域」を把握することで、得た情報を戦力に変えていきます。

 

相手の盤面のカード、ダメージゾーンやドロップゾーンのカードはルール上いつでも確認することが出来ます。ですので、覚えておかないといけないカードは対戦相手のドライブチェックで見えたカードだけです。

 

1回のファイト中のドライブチェックすべてを覚えるのはかなり大変です。最初は相手の3ターン位を覚えられるようになりましょう。

 

こちらも例をひとつ。

相手のヴァンガードのアタック時にガードするかどうかの選択を終えたら、手札を重ねてプレイマットに伏せておきます。

 

そうしたら相手のドライブチェックに集中します。

 

めくれたカードのグレードとカード名を頭の中で復唱します。

 

その後、相手のターンエンドの宣言時に「このターン相手の手札に加わったのは〇〇」ともう一度復唱します。

 

どうしてもカード名が覚えられない人はドライブチェックがG3~G0のどれだったか、G0ならクリティカル(フロント)かヒールかドロー(守護者)かだけでも覚えられるように頑張ってください。

 

ここで覚えたカードがVへのライドやRへのコール、あるいはガーディアンや完全ガードのコストで切られたら、相手の手札の情報から消していきます。

 

 

大変かもしれないですが、今のようにカードプールが狭いうちに、自分が使わないクランでも、多くのデッキに使われるようなカードは効果テキストまで覚えておくといいです。強くなりたいんだったら、分かんないとか覚えきれないとか言ってられないです。

 

「カードプールの把握」も情報戦のひとつです。

 

 

 

「ドライブ記憶」をすることで、相手の手札のうち何枚かが分かっているというのは、とても強力な武器になります。

 

 

相手が前半で説明した「公開領域」を意識しないでシャカパチしながら「非公開領域」のカードをポンポン使い、こちらはきちんと手札の「公開領域」の管理とドライブ記憶ができているなら、ファイト終盤には相手の手札が全部分かっているけど、こちらの手札は(相手にしてみたら)闇の中ということもあり得ます。

 

そうでなくとも、相手の手札のシールド値がある程度把握できているなら、フォースの置き場所やトリガーのパワーや☆を乗せる場所の指針になるでしょう。

 

きっと情報はあなたを導いてくれますよ。

 

 

 

 

 

次回も情報戦に寄ったお話になりそうです。

 

あなたは自分のデッキのことってどれくらい知っていますか?

それぞれのカードが何をするためのカードなのか説明できますか?

 

 

ご精読ありがとうございました。