Show and Tell

トレーディングカードゲームのことをつらつらと

確率と期待値

初級講座第5回の確率の表を見て

 

「4チェン、5チェンしたらそんな低い数値じゃなくね?」

 

と思ってしまう中級者以上の方がいらっしゃるようなので補足説明です。

 

 (初心者の方は頭がこんがらがると思われるので、読むのは非推奨です)

 

 

 

初級講座第5回の確率の表は、

「その瞬間でのデッキトップに目的のカードがあるかどうかの確率」

を掲載しています。

 

違うんじゃね??って思ってしまう人は

「チェンジした枚数の中に目的のカードが1枚以上ある期待値」

を求めてしまっています。(と、思います。たぶん。)

 

「確率」と「期待値」は似て非なるものです。

 

今回の「確率」は「x枚中、y枚入っているカードが山札の一番上にある確率」を表示させていただきました。ヴァンガードのデッキ49枚(FV除く)に4枚投入しているカードが山札の一番上にある確率は「4/49」です。最初の1枚で目的のカードを引けない場合、次のカードが目的のカードである確率は「4/48」です。

最初の1枚でその目的のカードを引けたら、次の山札の一番上に目的のカードがある確率は「3/48」です。

目的のカードが山札の一番上にある確率は「y/x」です。

 

一方、期待値となると話が変わってきます。

あの表に違和感を覚える人はおそらく「x枚中y枚入っているカードが、山札の上からz枚引いた時に1枚以上ある確率(期待値)」を求めています。

変数がxとyだけでなく、zまで出てきました。計算式自体が違うことがこれで分かります。

最初の1枚目の確率は「4/49」なのですが、2枚目の時には「4/48」と「3/48」両方の計算を加味しています。3枚目だとさらに「4/47」と「3/47」と「2/47」……、これを5枚目まで求めてこれらの確率を複合して「期待値」を算出します。

 

「期待値」は、複数の「確率」の和、もしくはその和の平均値であることが多いです。

 

今回も「マリガンするときの残り山札44枚中、4枚入ってるカードが、5チェンしたときに1枚以上ある確率」を求めていたりすると思われます。

 

いくつかあるMTGの計算公式みたいなもので、以下の期待値計算式があります。

 

・デッキ枚数÷入れるカード枚数=A枚めくって1枚はめくれる期待値枚数

・(B+Tターン数)÷A=Tターン目にそのカードが手札にある期待値枚数 

 ※(MTGは先攻ドローが無いためBは先攻だと6、後攻だと7になります)

 

これをヴァンガードに置き換えると……

 

【例1. 4枚投入のキーカードが初手の5枚にある期待値】

・49÷4=12.25(FVはデッキ枚数から抜きます)

・(5+0)÷12.25=0.40816……

40.82%くらいで4枚投入のカードは初手5枚の中に1枚以上あるということです。

 

【例2. 4枚投入のカードが初手に1枚も無く5枚チェンジした中にある期待値】

・44÷4=11(FVと初手5枚はデッキ枚数から抜きます)

・(0+5)÷11=0.45454……

45.45%くらいで5チェンした中に1枚以上あるということになります。

マリガンのルール変更により、目的のカードを手に入れやすくなっているのがよく分かります。

 

【例3. 8枚投入のG3が3ターン目までに1枚以上引けてる期待値(おまけ)】

・49÷8=6.125

・(5+5)÷6.125=1.63265……

 ※3ターン目までのドローとFVスキル、G2のドライブで5枚ドローしている計算

(1.6枚もG3引けてるじゃん!マリガンでG3残す意味なくね!?

 ダメージに流れる枚数を加味していないので、実は不完全な式です……。)

 

 

 

初級講座では計算が複雑なため、あえて単純計算の「確率」で説明をしています。

中級者以上の方には混乱を招いてしまい申し訳ないです。

今後もしばらくは「確率」で説明する場合が多いので予めご承知おきください。